抜け毛が増えてきたり、頭皮が透けて見えるようになってきたら、それはヘアサイクルの乱れが原因かもしれません。
抜け毛自体は誰にでもある自然なことですが、ちょっとした生活習慣の悪影響でヘアサイクルが乱れてしまうこともあるんです。
このままハゲてしまうのか・・・と心配する前に、まずはヘアサイクルについて知り、ヘアサイクルを正常化するにはどうしたらよいか?を身につけて、薄毛対策を実践していきましょう。

そもそも髪はどうやって作られる?
ヘアサイクルのことを説明する前に、まずは髪が生えるメカニズムを理解しておいたほうが良いでしょう。
そもそも髪はどうやって作られるのでしょうか?
髪の毛は、頭皮の中にある毛根で作られています。
毛細血管から運ばれてきたアミノ酸などの栄養分を、毛根の底にある毛乳頭がキャッチします。
そして、毛乳頭の周辺にある毛母細胞が、栄養分を元に細胞分裂を繰り返すことで髪の毛が成長していきます。
髪の毛には数年の寿命があり、寿命になると髪の毛は抜け落ちて、同じ毛穴からまた新しい髪の毛が生えてくるのです。
このように、髪の毛は「抜けては生える」のサイクルを繰り返しているのです。
このサイクルが何らかの理由で乱れると薄毛になったり、色々とトラブルが出てきたりするのですね。

ヘアサイクルとは?
抜け毛が増えたり、薄毛を意識するようになってくると、ヘアサイクルがうまくいっていないのでは?と感じる方も多いでしょう。
ヘアサイクルってよく聞くかもしれませんけど、具体的にはどうなっているのか?きちんと理解しておきましょう。
ヘアサイクルとは、同じ毛穴で髪が生まれてから抜けるまでの周期のことで、毛周期とも言います。
ヘアサイクルの周期は、年齢や性別、体質などにより異なりますが、
女性・・・4~6年
が一般的な長さです。
ヘアサイクルの順番としては、「成長期」→「退行期」→「休止期」→再び「成長期」で回ります。

では、それぞれの期間に何が行われているのか?について詳しく説明します。
ヘアサイクルの成長期(2~6年)
成⻑期は、髪を作り出す⽑⺟細胞が細胞分裂を活発に繰り返している段階で、髪が伸び続けている状態です。
髪の成長は、個人差や季節によって伸びは異なりますが、一般的に髪は1日に0.3~0.5ミリずつ、1か月で約1~1.2センチ成長します。
成長期は2~6年間継続し、髪が太く強くなるのも成長期の特徴です。
今生えている髪全体の80~90%が成長期にあたります。
ヘアサイクルの退行期(2~3週間)
退⾏期は、活発だった⽑⺟細胞の⼒が弱まり、髪が急激に成⻑しなくなる段階です。
成長期と比べると髪の伸びは遥かに劣り、髪が2~3週間で成長を完全に停止します。
髪全体の1%が退行期にあると言われています。
退⾏期は、抜け毛になるための準備期間ですね。
ヘアサイクルの休止期(3~4か月)
休⽌期は、活動が低下していた⽑⺟細胞が完全に細胞分裂を⽌めて、髪の成⻑がストップした段階です。
髪全体の5~10%が休止期にあたり、3~4か月かけて次の新しい毛髪が生まれてくるのを待ちます。
成⻑が⽌まった古い毛髪は、次に新しく⽣まれてきた産⽑によって押し出され、抜け⽑となります。
この時の抜け毛は簡単に抜け落ちるので、ブラッシングやシャンプーの時の抜け毛は、だいたいが休止期にある髪の毛なんですね。
ヘアサイクルが乱れるとどうなる?
頭皮の状態や遺伝、男性ホルモンの影響などにより、サイクルが乱れ、「成長期」が短くなることがあります。
正常なヘアサイクルであれば、抜け毛があっても、髪の状態はよく、髪の全体量の増減もなく保たれています。
「細い産毛のまま育たない」「寿命より早く抜ける」といった現象が起きると、「成長期」が短くなっている可能性があります。
こうなると、「髪が少なくなったな」と感じるようになります。

ヘアサイクルが乱れてるのか?セルフチェック
ヘアサイクルが乱れているか心配な場合は、まずはセルフチェックしてみましょう!
チェック方法としては、抜け毛の本数、毛根の形状、毛髪の太さなどで判断します。
抜け毛のこんなところをチェック!
1日に抜ける髪の毛の本数は、何本か気になる方も多いでしょう。1日50~100本程度の髪が抜けることは正常なヘアサイクルであると言えます。
ヘアサイクルが乱れると成長途中だった短く細い髪の抜け毛が目立つようになります。
また、抜け毛の根元についている毛根の状態が良くないものも増えてきます。
当然、いつもは抜けてなかった髪が抜けるようになりますから、抜け毛の本数も多くなり、1日100~200本抜けてしまいます。
この状態が続くと、全体の毛髪量が減り、なんか薄くなったな~と感じるようになります。
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ヘアサイクルが乱れる原因と対策
ヘアサイクルが乱れている方は、その原因と対策をきちんと理解しておくことで、早い段階から頭皮の状態を健やかに保つことができます。
ヘアサイクルの乱れは生活習慣からの影響も多いと言われています。
ヘアサイクルが少し乱れている程度であれば、普段の生活の改善・工夫によって、ヘアサイクルを正常化させることができます。
では、日常生活の中で気を付けるべきポイントを確認してみましょう!
食生活の乱れ
夜遅くに食事をすることが多い・お酒が大好き・外食が多い・ファストフード好きなど、食生活の乱れと抜け毛は、かなり関係が深いです。
これは、栄養バランスがかたよることで、毛母細胞に十分な栄養が行き届かずヘアサイクルを乱す原因になっています。
栄養バランスのとれた食事を摂るようにすると、ヘアサイクルを整えることができます。
睡眠不足
深夜遅くに寝るなど、睡眠不足もヘアサイクルが乱れます。
睡眠不足により、ホルモンバランスが乱れ、頭皮トラブルや抜け毛など、ヘアサイクルの乱れや頭皮の血行の流れが悪くなるので、そういうのも原因になり、ヘアサイクルが乱れます。
また、髪を作る毛母細胞が活発になる22:00~翌2:00ころに起きているのも髪に良くないので、可能であれば、この時間帯を睡眠に充てられるように工夫してみましょう。
規則正しい生活を心がけることは何より大切です。
ストレス過多
ストレスは様々な悪影響を引き起こします。
特にストレスにより、ホルモンバランスが乱れて、髪の毛がたくさん抜けるようになります。
自律神経の乱れにより、髪にも大きなダメージを与えることになるため、まずはストレスの原因を解消することが大きな対策方法になります。
シャンプーが合っていない
シャンプーが合わないと頭皮がかゆくなったり、フケが出たり、様々な現象を引き起こすことになります。
頭皮がボロボロになり、髪の毛も抜けやすくなるため、シャンプーは洗浄力の強いものや刺激が強いものを使用するのではなく、アミノ酸系・石鹸シャンプーなど頭皮に優しいものを使用すべきです。
シャンプーを変えるだけでも、だいぶ頭皮の状態は変化しますよ。
タバコ(喫煙)
喫煙も抜け毛に大きく影響があります。
喫煙によって、血行の流れが悪くなり、頭皮の状態も悪化することがあるため、しっかりと血行の流れを良くすることは重要になります。
喫煙は頭皮以外の健康被害もあるので、なるべく喫煙を控えて、頭皮の状態を改善するなど、ちょっと工夫してみるのも大切なことです。
運動不足
運動不足により、血行の流れが悪くなります。
そうすることで、頭皮の状態も悪くなり、かゆみがでたり、髪の毛が抜けやすくなるなど、様々なトラブルが出るようになるため、適度な運動は取り入れるべきです。
ウォーキングなら手軽に始められるので、短時間でも良いので、少し運動を取り入れてみると、ヘアサイクルも整い、健やかな頭皮へと改善することができます。

ひとつでもいいから実践しよう!
AGAが原因でヘアサイクルが乱れているのかも?
実は、男性にはヘアサイクルが乱れる大きな原因はもう一つあり、「DHT(ジヒドロテストステロン)」と呼ばれる悪玉男性ホルモンが毛母細胞に与えるダメージです。
このDHTが原因の薄毛症状がAGA(男性型脱毛症)です。
抜け毛の中に産毛や細い毛が混じり、生え際がM字に後退していたり、頭頂部のつむじ周りが薄くなってきた場合、AGAの恐れがありますので早めの対策が必要です。

AGAかどうかの簡単セルフチェック
もしAGAが原因で抜け毛が増えているのだとすると、別の対策も必要になってきます。
自分がAGAかどうか?簡易的に無料でチェックできるサイトがありますので、気になる方はぜひやってみてください。
AGAによるヘアサイクル乱れを戻す・正常化する方法
AGAの進行を止めるには、原因となっている「DHT(ジヒドロテストステロン)」の働きを抑制することが必要です。
AGAへの対策
【確実な方法】クリニックでカウンセリング治療を受け、薬を処方してもらう。
【簡単な方法】市販の育毛剤で自己対応する。
クリニックに行って薬を処方してもらう
DHTを抑制するのに一番効果的なのは、「フィナステリド」という成分を含む「プロペシア」などをAGAクリニックに行って処方してもらうこと。
ただ、ヘアサイクルを正常化するのに有効である一方、副作用の恐れがあるのも事実です。
主な副作用には、「精力減退」「勃起不全」「肝機能障害」などがあります。
そこで、副作用が心配な方は育毛剤を使用するケースも多いのです。
育毛剤でAGAを自分で手軽に対処する
フィナステリド(薬)ほどの効果は見込めませんが、副作用がなく、自宅で手軽に始められるのが育毛剤のメリットです。
数ある育毛剤の中には、DHT生成の元となっている5αリダクターゼの阻害作用のある「キャピキシル」が入っているものもあります。
ただし、育毛剤はあくまでも抜け毛予防の観点からヘアサイクルを正常化するものなので、既にAGAがかなり進行している場合は、薬を使った治療を受ける必要があります。
AGAでヘアサイクル正常化にかかる期間
個人差や状態にもよりますが、ヘアサイクルが正常化するのに、6か月程度は必要です。
正しい対策を始めたとしても、すでにDHTの影響で乱れたヘアサイクルで成長してしまった髪は抜けるのを待つほかありません。
そして、DHTの影響を受けていない髪が新たに生え、休止期から成長期に切り替わるまでは2,3か月はかかります。
この新しい髪は、AGAの症状により弱った古い髪を押しのけて出てくるため、対策を初めて1か月ほどすると、一時的に抜け毛が増えることもあります(初期脱毛)。
4か月からか6か月ほどすると、抜け毛が減り、産毛が現れてきて、見た目にも違いが分かるようになることが多いです。
このようにして、乱れたヘアサイクルが正常なヘアサイクルへと切り替わっていきます。

それまでは地道に対策を頑張ろう!
ヘアサイクルが乱れる原因 まとめ
ヘアサイクルが乱れる原因は、生活習慣や頭皮環境の悪化でしたね。
ヘアサイクルが乱れることにより、抜け毛が増えたり、まだ生えたばかりの若い髪が抜けやすくなったりします。
AGAが原因だとしても、髪や頭皮に良くない生活習慣を続けていては、薄毛が加速してしまいますから、どのように対策をするにせよ、気づいたらできるだけ早く始めて、最低6か月は続けるように頑張っていきましょう。
