生え際(M字)は鏡を見れば必ず目に入ってしまいますから、ここが薄毛になってくるとかなり気になりますよね。
生え際(M字)って、頭頂部(てっぺん)より修復が難しい場所なので、一刻も早く薄毛対策を始めたいものです。
- 最近、前髪のボリュームが減ってきた。
- 周りの人から「前髪薄っ」て思われてるんじゃないか?
- M字部分がうまく隠れるよう、髪型を変えた。
- 育毛対策してるのに、M字だけはジワジワ進行している。
こんな悩みを抱えている人は、発毛成分「ミノキシジル」を含む発毛剤を使うべき!
ミノキシジルは、発毛効果が認められた唯一のAGA治療薬ですから、育毛対策には欠かせません。
でもちょっと待ってください!
このミノキシジル、頭頂部には良く作用するのですが、生え際への効果は今一つという話があるんです。
- ミノキシジルって、生え際には効かないのか?
- 効かないなら、生え際の薄毛対策ってどうすればいいの?
ということをこの記事でチェックし、しっかりと生え際対策していきましょう!
ミノキシジルの効果・作用
ミノキシジルが生え際に効くかどうかをしっかり理解するために、まずはミノキシジルがどういった効果・作用をするのかを知っておきましょう。
ミノキシジルの効果は主に2つ。
- AGAのせいで1年ほどで抜けるようになってしまった成長期の髪を、正常な期間成長し続けられるようにする→抜け毛を予防し、太い髪へ。
- 休止期に入った毛穴を「生えろ!」と指令を出して、発毛促進。
ミノキシジルがどのように作用してこのような効果を生み出しているかは、まだハッキリと分かっていないのですが、以下の3つの働きが複合的に作用していると言われています。
- 毛乳頭から髪を作り出すためのVEGFなどの細胞成長因子を分泌促進させる。
- 髪が成長を途中で止めてしまう現象(アポトーシス)を抑制する。
- 毛組織血管を拡張し、血流改善で毛組織の栄養状態を改善する。

ミノキシジルが効く場所は主に頭頂部?
ミノキシジルの作用を見る限り、生え際だろうと頭頂部だろうと、場所に関係なく効果が期待できそうですよね。
でも、実際は違うんです。
外用ミノキシジルの「リアップX5」の使用上の注意には、こういう薄毛タイプの人に効果的です、というイラストがついています。

引用:大正製薬「リアップ」
AGAによるハゲ方には図のような6タイプがあり、人によって違います。
ミノキシジルは、赤枠がついたⅡ、Ⅳ、Ⅵ型の薄毛に有効性が確認されています。
この3タイプを見ての通り、ミノキシジルが効く人の共通点は「頭頂部ハゲが必ず含まれている」ということ。
そうなんです。
ミノキシジルは、頭頂部だけとか、頭頂部+αの薄毛の人に有効なんです。
Ⅰ、Ⅲ、Ⅴ型のような、前方からハゲ始めている人には有効性が確認できていないんですね。
でも、ミノキシジルの効くⅡ、Ⅳ型を見ると生え際の後退もしていますから、ミノキシジルが生え際に全く効かないわけじゃないんでしょうね。

ミノキシジルが生え際(M字)に効果が弱い理由
ミノキシジルの臨床データに基づけば、外用(塗る)タイプのミノキシジルは主に頭頂部に効果があり、生え際はちょっと苦手だということが分かっています。
なんで数cmしか離れていない場所なのに、生えたり生えなかったりするのでしょうか?
この点もはっきりと解明されていないのですが、いくつか推測される理由はあるのです。
理由1:生え際にはハゲの原因物質が多いから
まず、前頭部(生え際)にはAGAの原因物質となる5α-リダクターゼという酵素が、頭頂部よりも多く存在し、AGAが進行しやすい部位だということ。
ミノキシジルは、この5α-リダクターゼとは無関係に、別の方法で発毛作用を起こしていますから、ミノキシジルの発毛パワーより、5α-リダクターゼのAGA進行パワーが勝れば、当然抜けていきます。
理由2:生え際は皮膚が硬くて血行が悪いから
生え際は、頭皮の厚さが比較的薄くて、頭部の中でも一番硬い部分なので、血流が悪くなりがちです。
髪を毛母で製造するためには血液から運ばれてくる栄養分が必要ですから、血流が悪いと栄養が十分に行き渡らず、十分に髪が成長できない可能性があります。
生え際(M字)の薄毛対策はどうすればいい?
なかなか手ごわい生え際の薄毛。
特に前頭部から薄毛が進行している人は、外用ミノキシジルだけでは食い止められない可能性も高いですよね。
AGAから来る生え際の薄毛対策なら、AGAの原因となる物質(5α-リダクターゼ)の働きをブロックする「フィナステリド」という成分を含む薬(プロペシアなど)の服用が有効です。
フィナステリド
フィナステリドは、本当は3,4年成長し続けるはずだった髪を、1年ほどで「抜けろ!」と命令する成長阻害因子「ジヒドロテストステロン(DHT)」が出てこないように、DHTの発生原因となる「5α-リダクターゼ」の働きをブロックします。
この作用は、頭頂部はもちろん、生え際(前頭部)でも行われますので、気になる部分の未熟な抜け毛を予防することができます。
ただし、フィナステリドはあくまで「AGA」による薄毛抑制なので、例えば20代前半くらいで薄毛になっている場合は、原因がAGAではない可能性も高いです。
AGA以外が原因の薄毛にはフィナステリドは有効ではありませんので、ご自身の薄毛原因を見極めておく必要があります。
高濃度ミノキシジルを試す
今ご紹介した「フィナステリド」は、抜け毛を予防する効果はあるのですが、髪を発毛させ、太く育てる効果はありません。
これ以上減らないようにとか、減る速度を遅くする、言わば「守りの薬」です。
でもやっぱり本音は「本数を増やしたい」「髪を太くしたい」ですよね。
それならフィナステリドとともに、ミノキシジルも併用していく必要があります。
外用ミノキシジルは、生え際は苦手ではあるものの、全く効かないわけではないので、1日2回、生え際にしっかりと浸透させ、マッサージをしていきましょう。
さらに欲張りなあなたには、リアップなどの5%濃度ではなく、10%濃度のものを使用してみるのも、可能性としてはアリです。
濃度5%超の外用ミノキシジルの効果に関する臨床データはありませんが、リアップでは、1%濃度よりも5%濃度のほうが効果がアップしていましたので、さらに濃度を高めれば良さそうな気がします。
また、15%濃度のミノキシジルを使って治療しているAGAクリニックもあるので、濃度アップはやってみる価値はありそうです。
>>藤沢駅前AGAクリニックでの治療例
ただし、濃度が高い分、かゆみなどの副作用が出やすくなるので使う時は注意が必要です。
5%超のミノキシジルは、国内では安全性や効果が確認できていないとして、市販されていません。
手に入れるには、医師の処方によるか、海外からの個人輸入での取り寄せとなります。

ミノキシジルタブレット(自己責任で!)
外用(塗る)タイプのミノキシジルは、皮膚からの吸収なので、体内への吸収量が少ないのです。
それは、副作用が起きにくい反面、効果も弱いといえます。
そこで、内服(飲む錠剤)タイプのミノキシジルを活用することもできます。
内服だと吸収率がグンと高くなり、毛乳頭への作用も格段に上がりますから、生え際への効果も期待できます。
ただし、このミノキシジルタブレットは、育毛薬として認可されていませんし、副作用も塗り薬よりも強くなります。
また、塗り薬なら、塗った場所だけ副作用が出ることが多いですが、飲み薬は全身に副作用が出ます。
ミノキシジルタブレットの副作用で特に多いのが、全身に毛が生えてしまうのと、血圧が下がることです。
もし試す場合は、自己責任で、かつ、低用量で始めましょう。
関連記事
>>専門家が推奨するミノタブの飲み方
育毛の基本を守る
AGAが原因の人も、そうでない人も、生え際部分を復活させるためには、育毛剤だけに頼るのではなく、髪や頭皮環境に良い生活習慣も大切になります。
地味ですし、継続が大変かもしれませんが、
- 正しい洗髪
- 頭皮マッサージ
- 質の良い睡眠
- バランスの良い食事
この基本があってこその育毛剤ですから、できる範囲で実践していただけるといいと思います。
正しい洗髪方法とシャンプー剤
頭皮は体の中でも一番皮脂の分泌が盛んな部位で、2,3日頭を洗わないと、皮脂が酸化して頭皮にダメージを与えます。
育毛剤の浸透を良くするためにも、1日1回洗髪をし、毛穴をキレイにしておきます。
シャンプー剤は何でも大丈夫ですが、頭皮刺激の少ない「アミノ酸系シャンプー」のほうがより安心です。
一般的に、シャンプー時にゴシゴシと力を入れすぎている人、すすぎ時間が短くて、洗剤が毛穴に残っている人が多いので、「マッサージするようにソフトに洗い、すすぎは2~3分、しつこいくらいにやる」ことを心掛けると良いと思います。
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>>正しい洗髪方法!シャンプー選びから乾かし方まで
頭皮マッサージで血行促進
頭皮マッサージは血行促進に効果的で、頭皮の血行が良くなることで、毛根へ血液からの栄養分が渡りやすくなります。
AGAだと、柔らかくて短い、抜けやすい毛が多いので、こするのではなく、揉むようにマッサージをします。
両手の指先を使って、首筋から頭全体にかけてゆっくりと、頭皮をもみほぐすように3分程度やってみましょう。
湯船につかりながらやるのも効果的です。
髪は夜作られる
寝れば髪が生えるわけではありませんが、寝ている間は自律神経がリラックスモード(副交感神経)になり、血管が拡張されて血行が良くなるのです。
人間の生体リズムでは、副交感神経が働くのが午後10時から午前2時ころと言われていますので、できればこの時間はゆっくりと眠ることが髪の毛のためにもなりますし、疲れた体の修復にもつながると言えます。
普通の食事を心掛けよう
食事が薄毛や脱毛につながることはめったにありませんが、健康的な髪を維持するには栄養バランスのとれた食事をすることが大切です。
髪の毛の主成分はケラチンという硫黄を含んだタンパク質ですから、これを多く含む、青魚、乳製品や鶏卵、大豆製品などを積極的に摂ると良いです。
コンビニ食ばかりだとか、ダイエットなどで極端に偏った食生活でなければ、大半の人はそれほど神経質にならなくても大丈夫です。
ミノキシジルで生え際 まとめ
生え際の薄毛対策は頭頂部よりも難しいうえ、ミノキシジルは、髪の⽑を発⽑させる作用があるものの、ハゲ方によっては生え際には十分な効果を発揮しない場合があることが分かりました。
生え際が気になっている場合は、生え際にも効果が認められている抜け毛予防成分「フィナステリド」の使用、またはミノキシジルとの併用が必須です。
それでも不安な場合や、ある程度進行してしまっている場合は、ミノキシジルの濃度を上げたり、飲み薬のミノキシジルタブレットも試してみるのも良いと思います。
そして、意外と大事なのが、洗髪による頭皮の清潔と、頭皮マッサージによる血行促進です。
髪の毛が生える土壌となる頭皮を健康に保ち、血行を促進して毛根の働きを活性化させることも、育毛にとって大事なんです。
正しい育毛剤の選択と頭皮ケアで、生え際の後退を阻止しましょう!