ミノキシジルを長期間継続すると体に耐性ができて発毛効果が落ちてくる、と2chなどで心配の声が上がっています。
- 最初の1年は良かったけど、そこからは下降線で、今はスカスカ・・・。これって耐性かな・・・。
- 飲み始めて半年でかなりの効果を実感し、そのまま4年間は維持したが、糖質制限ダイエットをしたところ、髪が薄くなってきた。
- 10年近くミノタブとフィンペシアを飲んでるが、最近になって抜け毛が激しくなってきた。耐性なのか、老化なのか、ダイエットによる栄養不足なのか分からん。
外用(塗り薬)ミノキシジルも、内服ミノタブも、確かに長年使ってると使い始めのころのような発毛実感はありません。
人によっては抜け毛・脱毛が再発したなんて言う人も・・・。
でもこれって本当に「ミノキシジルの耐性」が原因なのでしょうか?
耐性かもしれないと言って安易に量を増やしても、副作用のリスクが高まって危険です。
・何でミノキシジルを長期使用すると効果が薄れる人がいるのか?
・ミノキシジルに耐性ができることはあるのか?
ということについて検証しました。
【耐性】とは
薬の投与を繰り返しているうちに、体内に抵抗性ができて、その効果がだんだん弱っていく現象のこと。
ミノキシジルはどんな薬か?おさらい
ミノキシジルはもともと高血圧治療の薬で、血圧降下の作用があります。
「体中に毛が生える」という副作用があったため、薄毛治療薬として活用できないかと研究開発が進み、改めて発毛剤のミノキシジルとして認可されました。
安全性と効果を考えた結果、認可されたミノキシジルは、頭皮に塗るタイプとなりました。
いっぽう、タブレットタイプの内服ミノキシジルもありますが、発毛剤としての服用に安全性等が確認されておらず、AGAクリニックなどの専門医師の指導のもと服用するのが一般的です。
関連記事ミノタブの副作用について
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ミノキシジルに耐性はつくのか
ハゲの救世主ミノキシジルは、使い続けると耐性ができて効果が薄れてしまうというのは本当なのでしょうか?
ミノキシジルには塗るタイプと飲むタイプがあるので、それぞれ検証していきましょう。
塗るミノキシジル(外用)に耐性はできるのか?
外用(塗り薬)タイプのミノキシジルを5年間使用継続した場合の試験データがありましたので、早速チェックします。
3%ミノキシジル外用液を1日2回、5年間塗り続けたAGA男性31人(平均年齢37.7歳)の1年目、3年目、5年目の毛髪本数を数えた。その結果は・・・
Hair regrowth with topical minoxidil peaked at approximately 1 year of treatment with a slight but not statistically significant decrease in 1-year counts seen at the 3-year visit (p =0.16, Fig. 2).
ミノキシジル外用液による発毛は、治療開始約1年でピークに達し、3年目の調査では、統計的に有意でない程度の毛髪数の減少があった。
However, some patients receiving long-term treatment with topical minoxidil continued to have an increase in nonvellus target area counts at 4 1/2 to 5 years beyond their 1-year counts (n =9). Similarly, a few subjects, despite continued treatment with topical minoxidil, had nonvellus target area hair counts decrease below baseline (n = 4,-36 ± 40.5).
5年目の調査の結果、31人中9人は1年目のカウント数よりも髪が増えていた。
しかし、4人は基準となる毛髪本数を下回る結果となった。
これを見ると、ミノキシジルは、最初の1年で乱れたヘアサイクルをダーッと修正し、その後はその状態を維持し続けるようですね。
3年目の調査では若干減少していますが、統計学的に見ると誤差レベルだそうです。
少なくとも5年間使い続けても、一定の状態を維持できていることが分かりますね。

最初の1年はモサモサ増えていくから「おぉ~!」となるけど、1年経つとその状態を維持する領域に入ってくるから「なんか最近、変化ないな~。耐性がついたか?」なんて感じてしまうのかもしれません。
それを「耐性」と感じるのか、「維持する効果がある」と感じるのかは人それぞれということでしょうか。
内服ミノキシジル(ミノタブ)に耐性はつくのか?
いっぽう、ミノタブの育毛効果、毛髪量維持に関する臨床試験・調査は行われておらず、データが見つかりませんでした。
それもそのはずで、ミノタブは副作用に「多毛症(体毛が増える症状)」がある血圧降下剤です。
主作用である血圧降下を棚に上げて、自己責任で発毛目的で使われているだけですから、育毛効果なんて医学的に検証されるはずもないのです。
したがって、「ミノタブを長期間飲んで耐性ができてしまうかどうかは分からない」というのが現状です。
ミノキシジルで効果が落ちてくる原因
実際に「ミノキシジル使い続けて、維持どころか、最近は髪が薄くなり始めてる・・・」なんていう人もいると聞きます。
その現象を「耐性ができたんだ」と思ってしまう人もいるかもしれませんが、他の要因で薄くなっている可能性も十分考えられます。
耐性以外に考えられる原因は・・・
原因1:正しい用法用量を守っていない
何年も使っていると、回復してきたことに安心して、用法用量が守れなくなってしまうことがあります。
ミノキシジル5%外用液なら1日2回ですが、1日1回だったり、数日おきになったりしていませんか?
それだとミノキシジルの作用していない時間帯ができて、 その影響で薄毛が進行してしまうことも考えられます。
正しい用法用量でこそ、しっかりと効果が発揮できるようになっていますから、もういちど初心に帰って正しく使用するように心がけてみましょう。
原因2:頭皮環境や生活習慣の乱れによる脱毛
洗髪の回数が減ったとか、睡眠不足、食事の乱れなどはありませんか?
抜け毛や薄毛は、様々な原因が絡み合って起きることもあります。
特に頭皮環境の悪化や生活習慣の乱れは抜け毛につながりやすいので注意が必要です。
ミノキシジル以外の頭皮ケアがおろそかになっていないか?チェックしておきましょう。
原因3:季節の変わり目による一時的な脱毛
髪の毛は毎日60~80本程度は自然に抜けていくものですが、季節変動によって抜け毛が増える人もいます。
特に多いのが秋で、夏の間の食生活の乱れや、汗や紫外線による頭皮環境の悪化などが影響します。
また、5月6月にも抜ける人がいて、寒い冬から暖かい春になる気温変動に頭皮の皮脂調節機能がついていけず、皮脂過剰になったり、逆に乾燥したりすることがあるのです。
季節的な要因であれば、もう1,2か月様子を見れば収まる可能性があります。
原因4:加齢によりAGA(男性型脱毛症)が進行している
AGAの進行だと自己判断しにくいですね。
ミノキシジルはAGA進行の原因物質となるジヒドロテストステロン(DHT)に直接作用するわけではなく、毛包に作用して、乱れたヘアサイクルを正常化することで抜け毛を抑えたり、発毛を促進したりする薬です。
ですので、何年も経つうちに、体内でDHTの生成量が徐々に増えてきてAGAが進行してしまうことも考えられます。
AGAの原因物質DHTの生成を抑え、AGAの進行を遅らせる作用のあるプロペシア(成分名:フィナステリド)を併用して様子を見るか、不安であれば、AGAクリニックで診てもらったほうが良いかもしれません。
ミノタブの耐性?がついたときの対策
ミノタブの話
塗るタイプのミノキシジルなら耐性ができなさそうだということは分かりましたが、だからといってミノタブも大丈夫ということにはなりません。
ミノタブでどの程度発毛効果が出るか、どのくらい効果が続くかは個人差が大きいですし、人によっては耐性がついてしまう可能性も否定できません。
飲み続けているのに、維持どころか、状況がどんどん悪化するようなら、いったん飲むのを中止してしばらく時間を空けるか、別の育毛剤への切り替えを検討しても良いかもしれません。
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ミノタブの耐性の抜き方
ミノタブを飲まない間は薄毛が進行してしまう可能性がありますから、他の育毛剤でフォローを入れておくと安心です。
ミノタブの耐性が抜けるまでの期間は、ハッキリしたことが分かりませんが、ミノタブの「LONITEN」の添付文書のなかに、
LONITENを中止すると、新しい毛髪の成長はすぐに止まりますが、元のような外観に戻るには1~6か月かかります。
引用:RxList
と記載されています。
元に戻るのに最長6か月かかると言ってるので、6か月が一応の目安になりそうです。
ミノキシジルの薄毛耐性 まとめ
ミノキシジル使用者の5年間の追跡調査結果を見る限り、ミノキシジル(外用)は、効果が劇的に落ちることなく毛髪の維持は可能といえます。
この調査だけではミノキシジルの耐性ができるかどうかまでは不明ですが、事実として毛量が維持できているなら、僕らはそれで満足ですよね?
薄毛や脱毛の原因は1つではないことが多いので、長期使用していて、抜け毛が増えたり、薄毛が進行してきた人は、ミノキシジルの耐性を疑う前に、
- 用法用量が正しいか?
- 頭皮環境や生活習慣が悪化していないか?
- 睡眠不足ではないか?
- AGAが進行しているのではないか?
- たんに季節の変わり目による一時的なものか?
ということも考えてみることをおすすめします。