プロペシアを飲んでいるのに薄毛が進行している人はいませんか?
AGA薄毛対策に効果があるプロペシアを飲み続けていると耐性がついてくると聞いたことがあります。
【耐性】とは
薬の投与を繰り返しているうちに、体内に抵抗性ができて、その効果がだんだん弱っていく現象のこと。
でも、そう簡単に耐性なんてつくものでもないし、薄毛・抜け毛はいろいろな要因が重なって起きるもの。
プロペシア(フィナステリド)が効かなくなってきた原因は本当に耐性なのでしょうか?
仮に耐性じゃなかったとしたら、何が原因なのでしょうか?
- プロペシアを飲み始めたのに効果が実感できない。
- 最初は効いていたのに、最近効果が薄れてきた気がする。
そんな人のための原因と対策についてまとめました。

プロペシアの薄毛への効果をおさらい
まずはプロペシアの作用や効果などについて確認しておきます。
プロペシアは、フィナステリドを有効成分とする薬の商品名で、AGA(男性型脱毛症)を進行させる原因物質である【ジヒドロテストステロン(DHT)】ができにくくなる薬です。
もう少し詳しく言うと、脱毛因子であるDHTは、男性ホルモンである【テストステロン】が、毛乳頭細胞にある【5αリダクターゼ】と結合することで生成されます。
フィナステリドは、5αリダクターゼの動きをブロックし、テストステロンとくっつかないようにすることで、結果的にDHTの生成が少なくなり、薄毛や脱毛を防ぐのです。
プロペシアのジェネリック医薬品で、フィンペシアとかフィナロイドという薬も有名ですが、いずれも主成分は「フィナステリド」です。
ですので、プロペシアで耐性ができるのであれば、フィンペシアやフィナロイドにも当てはまると言えそうです。
関連記事プロペシアの副作用について
>>プロペシアの副作用は肝臓とED!起きる確率は?
プロペシアは耐性がつくのか検証
それではここから、プロペシアを飲み続けると耐性がついてしまうのか?検証していきましょう。
プロペシアの耐性がついたという口コミ
SNS、2chなどの口コミを見ると、「プロペシアを飲んでいるのにハゲできた。耐性じゃないか?」と心配する意見が見られます。
プロペシア6年飲んでるけど、今年に入り急激に禿げてきました(飲みだして数年は明らかに髪が生き返ってだんですが) 。
これは耐性でプロペシアの効果がなくなったのですかね?
フィナロイドを使用していたのですが、耐性を感じたのでとりあえずプロペシアに切り替えて様子を見ます。
9か月プロペシア飲み続けて抜け毛はほぼなくなったけど、先月から抜け毛が増えてきた。
思い切って1週間飲むの止めたけど何も変わらない。薬に耐性ついたのかも。
薄毛予防のために薬を飲んでいるのにハゲ始めたら、そりゃ焦りますよね。

プロペシアのメーカーの耐性に関する意見は?
プロペシアの製造元であるMSD社の情報によると、海外での調査では、プロペシア1mgを5年間投与して、90%の人が抜け毛の進行を抑えることができ、平均では5年経っても飲み始める前よりも毛髪本数が多かったという結果が出ています。
日本でもプロペシア1mgを3年間投与する試験が行われ、98%の人が維持または改善という結果になりました。
このことから、プロペシアの継続使用により、耐性がついて効果が落ちる可能性は低いといえそうですが、プロペシアのメーカーであるMSD社は、耐性があるかどうかについて一切言及していません。
ですので、耐性の可能性については「不明」となってしまいますね。

プロペシア継続10年後までの追跡調査では・・・
メーカーの情報とは別なんですが、海外の事例で、プロペシア1mgを毎日飲んでいる20歳~61歳のAGA男性113名の、10年に渡る追跡調査というのがありました。
この調査は、耐性がつくかどうかを調べるための調査ではなく、発毛作用が長期間持続するかどうかを調べて、フィナステリド(プロペシアの成分)の有効性を評価するためのものです。
ですので、フィナステリドを長く使った場合どうなるかが良く分かりますし、10年に渡り効果が持続する人が多ければ、耐性がつきにくいとも言えそうです。
調査結果のポイントを見てみましょう。
113人の被験者のうち、10年間の治療で改善が21%、変化なしが65%で、悪化はわずか14%でした。
21% + 65% = 86%の被験者にとって、プロペシアの有効性は10年経ってもそれほど低下していないことが分かります。
ということは、耐性はつかないと考えたほうが自然ですね。
最初は効いていたけど、だんだん効かなくなり、薄毛が再発しだしたという人は、耐性がついたのではなく、プロペシア以外のところに原因があると考えたほうが良さそうです。
プロペシアが効かない、もう一つの理由
耐性とは別の話ではありますが、プロペシアは若い人(20代)にはあまり効果がなく、最初の1年で効果を感じなかった人は、その後何年飲み続けても効果が出ない傾向にあったとのことです。
Furthermore,there is a great part of young patients, 42.8%, that do not show an improvement also after 10 years.
30代以上の被験者は20代よりも薬への反応が良かった。
さらに、若年層の42.8%が10年飲み続けても改善がみられませんでした。
当たり前っちゃ当たり前かもしれませんが、若い人ほどAGAが進行している可能性が低く、フィナステリドが作用する相手(5αリダクターゼ)の量が少ないのでしょう。
初年度に改善がみられた人は、10年経って悪化する確率は4%ありますが、それよりも、髪の成長を維持する確率が28%以上、改善する確率は68%あります。For those with unchanged or worse results at the first years,only 32.2% will have an improvement at 10 years.
初年度に不変か悪化した人は、10年飲み続けても、たった32.2%の人しか改善する見込みがありません。
最初の1年で薄毛が改善した人は、長期服用しても引き続き良い結果が出続けて、1年目であまり成果が出なかった人はいくら飲み続けても改善されない傾向だったのです。
プロペシアは「効く人にはずっと効く。効かない人はいくら飲み続けても効かない。」ということなので、最初は効いていたのに何年か飲み続けたらハゲ始めた、という人は、プロペシア以外の原因を疑ったほうが良いと言えます。

プロペシアが最初から効かない人の原因・対策は?
「ちゃんと飲んでいるのに最初っから全然変化なし。むしろ悪化すらしている。」という人もいるかもしれませんね。
飲み始めてからずっと効果を感じられない人は、どんな原因があるのでしょうか?
以下の内容に当てはまらないかチェックしてみましょう。
薄毛の原因がAGAじゃない
プロペシアの作用のしかたでも分かる通り、プロペシアはAGAの進行を食い止める薬です。
ですので、薄毛・抜け毛の原因がそもそもAGAじゃない人は、いくら飲んでも変化ありません。
脱毛症にはAGA(男性型脱毛症)以外にも、「円形脱毛症」「脂漏性皮膚炎による脱毛」は多く見られます。
円形脱毛症は、免疫反応などで、まだら模様のように1~数個の脱毛斑ができてしまう症状です。
脂漏性皮膚炎による脱毛は、過剰な皮脂が腐敗し、毛母細胞の働きを邪魔して抜け毛が増えてしまう症状です。
いずれにしても、脱毛の原因が何なのか?正確に把握するためにも、皮膚科やAGAクリニックに行くことをおすすめします。
年齢が若いのかも
10年間の追跡調査結果にもあったように、20代の若い人は、プロペシアの反応が悪い傾向があります。
AGAの進行具合とも密接に関係していると思われますが、20代~30代の人ですと、ハゲ方がAGAっぽくても、成果がゆっくり出てくるようです。
1年くらい様子を見るか、AGA専門クリニックで詳しい診断をしてもらうほうが良いかもしれません。
最低限の期間継続していない
個人差はあるものの、プロペシアの効果を実感できるまでには毎日飲み続けても6か月程度必要とされています。
飲み始めて6か月経っていない人は、成果を判断するまでもう少し頑張って飲み続けてみましょう。
1年経っても成果が出ない人はプロペシアが合っていない証拠ですから、飲むのをやめて、他の対策に切り替えます。
プロペシアが効かなくなってきた人の原因・対策は?
(最初から効いていなかったのではなく)「最初は効いていたのに、だんだん効かなくなってきた」という人は、プロペシアの耐性を疑うよりも先に、他の薄毛・抜け毛原因を探したほうが良さそうです。
プロペシアの決められた用法用量を守っていない
薄毛の進行が止まって、気分的に安心してしまうと、つい薬を飲むのを忘れてしまいがちです。
プロペシアの主成分であるフィナステリドは24時間で体内から排出されますから、1日1回決まった時間に服用するのが、効果を最大限発揮させる飲み方です。
もちろん、2日に1回でも現状維持できる人もいると思いますが、そこは個人差があるため、毎日飲まないと効果が持続できない人もいるのです。
もし、毎日飲んでいなくて、薄毛の進行が気になりだしたら、もういちど毎日飲むようにしてみてください。
生活習慣が乱れ始めた
生活習慣の乱れは髪の毛の成長に悪影響を与えやすいです。
- 睡眠不足
- ダイエットや偏った食事による栄養不足
- ストレス(発散していない)
などは特に髪にも影響します。
このようなことが思い当たる場合は、できる範囲で改善してみましょう。
頭皮環境が悪化した
頭皮は髪を育てる土台ですから、頭皮の健康状態もチェックが必要です。
シャンプーを変えたとか、シャンプーの回数が1日1回未満ということはありませんか?
それによって頭皮が皮脂過剰になったり、逆に乾燥したりすることもあります。
また、洗髪の回数やシャンプーの種類だけでなく、洗髪の「方法」も育毛対策には非常に大切なことです。 普段あなたは正しい髪の洗い方ができていますか? 毎日のことだから、特に何も意識することなく、誰に教わったでもなく、自分な ... 続きを見る
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ミノキシジルとの併用がおすすめ
プロペシアを正しく服用し、髪に悪いこともそれほどしてない人でも、長い年月が経過すれば老化は進みますし、AGAも少しずつ進行してしまうので、だんだん毛量が減ってしまう場合もあります。
プロペシアだけでは髪を維持できなくなってきたら、発毛効果のあるミノキシジルを併用してみましょう。
ミノキシジルは「発毛」効果の認められた唯一の薬であり、多くの人が実践している、人気・実力のある薄毛対策薬です。
簡単に言うと・・・
プロペシアはAGAの進行を抑える「守り」の薬。
ミノキシジルは細胞分裂を促進して発毛させる「攻め」の薬。
それぞれ作用のしかたが異なるため、併用しても安全ですし、それぞれの効果が得られます。

ミノキシジルは外用と内服がある
ミノキシジル(成分名)を含んだ外用(塗るタイプ)薬で有名なのは「リアップ」で、ドラッグストアでも入手できます。
いっぽうミノキシジルには内服(飲む錠剤タイプ)薬もあるのですが、こちらは作用・副作用とも塗るタイプの比ではないのですが、安全性の確認がとれておらず、発毛目的としては正式に認可されていません。
自己責任、もしくはAGA専門クリニックで医師の指導のもと利用していきます。
プロペシアの耐性と効果 まとめ
プロペシアは10年飲み続けても8割以上の人が維持または改善し続けていることから、耐性がつくことは考えにくく、むしろ長~く飲み続けても効果を発揮し続けられる薬だと言えそうです。
「耐性がついた(汗)」と勘違いして、休薬期間を置いてみるだとか、飲む量を減らすとかやってしまうほうが、よほどAGAを進行させてしまいます。
途中で効果が薄れ始めた人は、まずはプロペシアを正しく飲んでいるか、生活習慣や頭皮環境は乱れていないか、といった点をチェックしてみましょう。
