男性の薄毛・抜け毛対策として手軽に始められるのが、シャンプーを変えること。
シャンプーは毎日のことですし、頭皮に良いシャンプーを使うことで頭皮環境を良好に保つことができます。
頭皮環境を整えるには、もちろんシャンプーだけでは無理ですが、シャンプーが悪影響を及ぼしているなら、それは取り除いてやるべき。
薄毛・抜け毛の予防の一環として、適切なシャンプーを選んで使用しましょう。
でも、今は「育毛に良い」などといって、さまざまな種類のシャンプーが発売されていて、どれが自分に合うのか?ホント分かりづらくなっています。

そこで、薄毛・抜け毛対策におすすめのシャンプーの選び方をご紹介するとともに、初めて試す人にもおすすめの市販のお手頃価格シャンプーもいくつかご紹介します。
シャンプーを替えても髪は生えないけど…
シャンプーは育毛剤ではありませんので、どんな高級なもの、どんなに髪に良いものでも、髪が生える直接的な効果はありません。
しかし、ご自分に合ったシャンプーを使って、頭皮環境を整えることは、髪の成長を手助けするのにとても大切なことなんです。
頭皮環境が悪いと、フケ、かゆみの原因になったり、髪の成長にも悪影響を及ぼし、抜け毛にもつながります。
頭皮環境が悪化する原因は、睡眠不足、栄養不足、ストレスなど、さまざまなことが考えられますが、もしかしたらシャンプーがあなたの頭皮に合っていないからかもしれません。
自分に合ったシャンプーを選びだし、使うことは、頭皮環境の改善、さらには抜け毛・薄毛予防の第一歩とも言えそうですね。

正常な頭皮環境とは?
そもそも「正常な頭皮環境」とはどんな状態をいうのでしょうか?
それは、頭皮にフケやかゆみがなく、清潔な状態を言います。
今自分の頭皮を触ってみても分かる通り、頭皮は皮脂が多く、ちょっとしっとりしています。
また、目には見えませんが、皮膚常在菌も多く潜んでいます。
実はこの適度な脂分や常在菌があることで、頭皮はバランスを保っています。
洗浄力の強いシャンプーだと、必要な脂分や常在菌まで洗い流してしまうことがあり、頭皮が乾燥したり、皮脂を食べてくれる菌が少なくなって髪がベトついたりします。
頭皮にはいつも適度な皮脂が残るように、大切なことは、毎日1回シャンプーをすること、余分な皮脂だけを取り除く洗浄力のシャンプーを使用することです。
シャンプーは洗浄成分の違いで選ぶ
適切なシャンプーを選び出すためには、まず、シャンプーの洗浄成分の違いを知っておくことが必要です。
シャンプーの洗浄成分には大きく分けて3種類の性質の違う洗浄成分が使われています。
- 高級アルコール系・・・洗浄力と刺激が強く、安価。
- 石けん系・・・洗浄力がやや強く、刺激少な目。
- アミノ酸系・・・洗浄力が穏やかで低刺激、やや高価。
1.高級アルコール系は安くて泡立ちが良く、洗浄力が強い
⾼級アルコール系洗浄成分は、少量でもよく泡⽴ち、洗浄⼒が強いという特徴があります。
原価も安く、ドラッグストアなどで1本500円程度で買えるものは、ほとんどがこのタイプです。
⽪脂の分泌量が多い脂性肌の⼈や、整髪料やワックスなどをしっかり洗い落としたい人に向いています。
しかし、洗浄力の強さゆえ、皮脂を必要以上に洗い流してしまう恐れもあり、頭皮トラブルの原因になることもあります。
※名前にある「高級」とは、分子構造に使われる炭素の数が「多い」ことを指していて、値段が高いという意味ではなく、むしろ安いです。

2.石けん系は洗浄力があり、低刺激
石けん系はその名の通り、石けんの洗浄成分で、高級アルコール系ほどではないものの洗浄力は高く、余分な配合成分が少ない製品が多いので低刺激なのが特徴です。
しかし、弱アルカリ性のため、多少髪がきしみ、ダメージを受けやすい状態になってしまいます。
また、洗浄力が強いため、必要な皮脂まで洗い流してしまう可能性もあります。
3.アミノ酸系は洗浄力が穏やかで、頭皮や髪に優しい
アミノ酸系の洗浄成分は、泡立ちは良くないのですが、洗浄⼒が穏やかなので、⽪脂を必要以上に落とすことなく、低刺激のため髪や頭⽪をやさしく洗い上げる特徴があります。
また、肌と同じ弱酸性を示し、アミノ酸は⽑髪や頭⽪細胞の構成物質でもありますから、人間の細胞とは相性が良く、刺激や頭皮トラブルになる可能性も低いといえます。
皮脂量の多い方、ワックスなどの整髪料を使っている方には、洗浄力が多少物足りない可能性があります。
価格は高級アルコール系に比べると少し⾼価になります。
薄毛・抜け毛予防対策にはどのタイプがいい?
薄毛・抜け毛予防には頭皮環境を正常に保つことが大切でしたね。
よって、薄毛・抜け毛予防対策でシャンプーを選ぶときは、この洗浄成分に着目し、頭⽪に負担をかけないアミノ酸系シャンプーの中から選ぶと間違いないでしょう。
高級アルコール系のような洗浄力が強すぎるシャンプーや、一日に何回もシャンプーをすることは、10代の方や脂性肌の方ならまだしも、30代以降の方にとっては、頭皮に必要な水分や皮脂、常在菌を奪ってしまい、頭皮の状態を乱してしまいます。
また、アミノ酸系シャンプーは、髪や頭皮に優しいことを優先している製品が多いので、負担をかける添加物が少ない、もしくは入っていないものが多いので、頭皮ケアには最適なのです。

どれがアミノ酸シャンプーか分からない!
ドラッグストアなどのシャンプー売り場に行くと、たくさんシャンプーが並んでいます。
しかも、シャンプーのパッケージを見ても、「高級アルコール」とか「アミノ酸」などとハッキリ書いてあることはほとんどありません。

ですので、どれがアミノ酸シャンプーなのかは自分で見分けるしかないのです。
でも簡単ですからご心配なく!
ザックリとアミノ酸シャンプーを見分ける方法
パッケージの成分表示欄に、高級アルコール系洗浄成分である「○○硫酸○○」という「硫酸」の文字がないものを探すこと。
アミノ酸シャンプーの価格は、どんなに安くても1本1,000円以上はしますので、1,000円以下ならアミノ酸シャンプーだとしても品質に不安が残るのでやめたほうが良いです。
「アミノ酸洗浄成分が入ってるかどうか?」を見ても良いのですが、結構色々な種類があって覚えきれないんですよね。
いっぽう、高級アルコール系洗浄成分のほとんどには名前に「硫酸」がついています。
ですので、
成分表示に「硫酸」が入っていない
↓
高級アルコール系洗浄成分がない、といえる
↓
アミノ酸シャンプーだ、といえる
という図式で見極めましょう。95%くらいはこれでいけるでしょう。
高級アルコール系の見分け方

パッケージの成分表示にズラッと書いてある成分のうち、最初が「水」になっていますが、2~5番目辺りが洗浄成分です。
2~5番目辺りに「ラウリル硫酸~」「ラウレス硫酸~」と書いてあれば、高級アルコール系シャンプーです。
その続きにアミノ酸成分が書いてあったとしても洗浄成分が強いことに変わりはないので、アミノ酸シャンプーが欲しい人は避けたほうが良いでしょう。
具体的な高級アルコール系成分
- ラウリル硫酸Na
- ラウリル硫酸アンモニウム
- ラウリルベンゼンスルホン酸Na
- ラウレス硫酸Na
- ラウレス硫酸アンモニウム など
アミノ酸シャンプーを見分ける方法

パッケージの成分表示の2~5番目辺りに「ラウロイル~」「ココイル~」「コカミド~」「~ベタイン」というのがいくつか書いてあればアミノ酸シャンプーです。
具体的にはこんな成分名が書いてあります。
- ラウロイルメチルアラニンNa
- ラウロイルアスパラギン酸
- ココイルグルタミン酸TEA
- ココイルグルタミン酸Na
- ベタイン
- コカミドプロピルベタイン
- ラウラミドプロピルベタイン
- コカミドメチルMEA
- コカミドプロピルベタイン など
たまに、洗浄力の強い高級アルコール成分+アミノ酸成分を組み合わせた「アミノ酸配合シャンプー」もありますので注意が必要です。
とにかく、高級アルコール成分(ラウレス硫酸~など)が2,3番目に書かれていないことをチェックしておきましょう。
オススメの市販アミノ酸シャンプーは?
アミノ酸シャンプーは数多く発売されていますので、自分に合ったものを見つけるために片っ端から試すのも大変かと思います。
そこで、とりあえずこれを選んでおけば間違いないという、男性に人気のあるアミノ酸シャンプーをご紹介します。
アンファー【スカルプDシャンプー】
スカルプDに配合されている成分は「これ1本で育毛もサポートできるように」という思いで、選ばれています。
注:これだけで髪は生えません!髪が生えてくるための頭皮環境を良くしようということです。
もっとも特徴的なのは、AGA(男性型脱毛症)の原因となる男性ホルモンにアプローチできる成分が配合されているところ。
(豆乳発酵液、ホウセンカエキス、バンジロウ葉エキス)
また、男性特有のワックスなどの整髪料や、多めの皮脂をしっかり洗い流し、いっぽうで頭皮に必要な皮脂は残してしっかり保湿できるように、アミノ酸洗浄成分が調整されています。
まさに今薄毛や抜け毛に悩み始めた方にピッタリなシャンプーといえますね。
※スカルプDシャンプーは、皮脂量の違いに合わせて洗浄強度を変えた「超脂性肌用」「脂性肌用」「乾燥肌用」と3種類ラインナップがありますが、多くの男性は真ん中の「脂性肌用」でOKです。
haru【kurokamiスカルプ】
無添加・ノンシリコン、しかもリンス不要のオールインワンシャンプーがharuの「kurokami スカルプ」。
口コミサイト【@コスメ】の頭皮ケア部門では常にランキング3位以内に入っている人気者。
頭皮の負担となる成分は排除し、質の良いアミノ酸洗浄成分を配合。
リアップなんかに含まれているミノキシジルの3倍の育毛効果があると言われているキャピキシル(アセチルテトラペプチド-3とアカツメクサ花エキス)も配合し、頭皮サイクルに働きかけます。
一見女性向けに見える商品ですが、それはメーカーの商品PRがそうなっているだけで、柑橘系の爽やかな香りで、男性も全然使えますよ。
ディアボーテ【HIMAWARI オイルインシャンプー】
市販品のアミノ酸シャンプーの中でも低価格で始められるのがこのディアボーテ「HIMAWARIヒマワリシャンプー」。
アミノ酸洗浄成分を数種類組み合わせてしっかりと洗浄力を確保しながらも、ひまわりエキスで頭皮の保湿と、キューティクルの改善(ヘアケア)をサポートします。
1本1,000円前後でこのクオリティーなら十分。
アミノ酸シャンプーは合う合わないがあったりしますので、アミノ酸シャンプーを初めて試してみる方の最初の1本としてもおすすめです。
正しいシャンプーの仕方も身につけよう
せっかく頭皮に優しいシャンプーを選んでも、シャンプーの仕方がちゃんとしてないと、効果も半減してしまいます。
洗う回数は1日1回で十分。1日2回だと、頭皮を守る皮脂が必要以上に洗い流されてしまい、トラブルの元。
また、洗うタイミングは夜(寝る前)がイチバンです。
髪が一番成長するのは夜中ですから、成長しやすいように、あらかじめ頭皮の汚れ落としやマッサージをしておくことは大切です。
洗い方についても、ぜひ頭皮に良い洗い方を心掛けましょう。
- ブラッシングで髪のホコリを落とす
- ぬるま湯で予洗いをする
- シャンプー液は手で泡立てから使う
- 指の腹で頭皮マッサージをしながらシャンプー
- 洗い残しがないように十分にすすぐ
- コンディショナーは毛先につける
- 洗い残しがないように十分にすすぐ
- 優しくタオルドライで根元の水分を取る
- ドライヤーは根元を乾かすイメージで
- 最後は冷風で仕上げる

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ノンシリコンじゃなきゃダメなの?
シャンプーに配合される「シリコン」とは、油性の潤滑剤のことで、シャンプー後に髪がきしまず、サラツヤになる効果があります。
少し前までは「ノンシリコン神話」みたいのがあって、「シリコンが毛穴に詰まって発毛を妨げる」とか「シリコンは人体に有毒だ」などという話が出回っていて、「シリコンは悪」という印象を持っている方もいらっしゃるかもしれません。
が、これらは全く根拠のない嘘で、シリコン自体は安全・安心・無害の安定した成分です。
特に、高級アルコール系洗浄剤はシャンプー中の髪どうしの摩擦によって髪がきしむので、安価なシャンプーはシリコンを配合していることがほとんどです。
しかし、アミノ酸系の洗浄剤なら、シャンプーしてもそれほどきしまないため、シリコンを配合する必要がない場合が多いのです。
ですから、品質の良いアミノ酸シャンプーを選べば、結果的にノンシリコンであることがほとんどですし、シリコンが配合されていても、シリコンは安全な成分ですから、それほど気にする必要はないと思います。
※ちなみに、シリコンの成分表示は「シリコン」とは書いていません。
「メチコン」「シリカ」「シロキ」「シラン」「ポリマー」などの名前を含む成分がシリコンにあたります。

薄毛・抜け毛対策シャンプーの選び方 まとめ
薄毛・抜け毛予防対策にシャンプーを選ぶときは、どんな洗浄成分が使われているかを調べるのが大切です。
少し値段はしますが、まずはアミノ酸シャンプーを使っていくのが、頭皮にも優しくて原材料も良質なものが多いのでおすすめです。
⾃分に合ったシャンプーを選び、正しいシャンプーの仕⽅を今日から実践していくようにしましょう。
